いい学校、見つけた! −教員の立場から−
熊谷 昭吾

おいそれと転校ができないので
学生は苛立っている
いつまでも苛立っていられないので
学生はあきらめる
あきらめて校風というやつを身につける。

あいつのいるあの学校へ
あの先生のいるあの学校へ
あの講座のあるあの学校へ
いますぐ転校できならなぁ……
学生はそう願っている
おれにはそう思われてならんのだ。

むかし、てんぷら 学生というのがあった
卒業証書なんかほしがらず
ただ教室に坐って講義が聴きたい
あっぱれな偽学生のことだ
かく言うこのおれにも覚えがある
粋な悪友に誘われて
あちこちの大学の教室へ潜りこんだものさ
東京帝國大學へも盗聴に出かけたぜ
国破れてあのころ
人びとは飢えていた
天高くあのころ
この国は自由だった。

いま、学校は息も絶えだえだ。
「余計なことはするな」と言う
(個性は余計なことをしたがるものだ)
「生意気を言うな するな」と言う
(若者はみんな生意気さ)
「反抗(プロテスト)するな」と言う
(若者はいつだって異議申立人さ)
あのあおあおとした自由はどこへ行った?

なになに
野暮な校門のない自由学校がある?
なになに
制服も代紋(バッチ)も生徒手帳も要らぬ
自由学校がある?
なになに
センセイ がほんらいの指導者にもどり
セイト がほんらいの学究に変身し
教えたいことを学びたいことを
教え学ぶ自由学校がある?

ある あるんだ
七月
あついあつい七月
フランス革命記念日
祇園祭
そして《愛知サマーセミナー》!


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