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1959年、愛知県名古屋市生まれ。名古屋大学でプログラミング言語の仕様記述を研究し、博士号を取得。その後、民間企業の研究所で機械翻訳システム開発のためのツール開発に従事。現在8年目となる三重大学では、主に教育現場で使われる、質疑応答システムや、リアルタイム小テストシステムなどの開発に携わる。同大学が独自で地元の学校に派遣する出前教室にも積極的に関わり、技術分野に対して後輩たちに関心をもってもらうことで地域貢献を行っている。

はじめからIT分野に関心があった訳ではなかった

「小さい頃からIT分野に関心があった訳ではありません。ただ、いつからかパソコンに興味を持ったことと、化学系の仕事に就いていた父親の影響から小学校の頃から理系分野に関心はありました。」

小学生の頃にはパソコンを分解して仕組みを探ったりしていたのかと思いきや、意外にも情報処理分野への関心は高校から大学の時期に培われたという。「大学では電気系の学科に進学しました。電気系学科は、電気機器、電力、電子材料、情報と幅広い分野について学ぶのですが、ある先生の講義内容に強く関心をもち、卒業研究でその先生の研究室に所属したことで、『ソフトェア技術』という自分の専門分野が決まりました。」

北さんはコンピュータを動かす「言語」に関心をもち、特にその言語の「決まりごと」を記述する研究を大学院で修め、後に博士号を取得。6年間の民間の研究所でのプログラミング言語の開発や、現在8年目となる三重大学での研究の礎を築いた。

ブラックボックスの秘密を解き明かそう

また、本業の研究・教師職のほか、三重大学の派遣する出前教室の講師として、三重県各地の中高で、情報処理の基礎となるパソコンやソフトウェア、インターネットの仕組みに迫る授業を積極的に展開中。

「日本はやはり、技術で功を成した国です。こらからも、もっと多くの学生に技術分野に関心を持ってもらいたいと思います。また、技術の発展は、一方で「ブラック・ボックス」のように中身や仕組みが非常に見えにくくなってきました。出前教室やSチャンのすすめる市民講師派遣を通して、技術の見えにくい部分をより明るく、見やすくしていくことが私の夢です。」

より良い発見や学びを得るために、北さんからのアドバイス。「素朴な疑問やコメントをたくさん講師に寄せる」こと。それは自分の理解を深めるため、また講師への礼儀として。また「良いものを食べ、触れ、見て、聞く」こと。それによりセンスが磨かれ、学習や研究に磨きがかかると北さんは語る。

情報処理の研究室から飛び出し、広く多くの人にブラックボックスの秘密を解き明かすきっかけになれば、と燃える北さんは、今後の技術分野の後輩たちにエールを送る。

ブラック・ボックス:使い方だけわかっていて、動作原理のわからない装置やしくみのこと

代表的な講座タイトルと対象年代

「コンピュータのしくみ」
「ソフトウェアのしくみ」
「インターネットのしくみ」など
(それぞれ中学、高校向けにアレンジ)

関連サイト

北さんが出前授業で使われた資料を見ることが出来ます。
http://www.hayashi.elec.mie-u.ac.jp/Kougi/COMMON/DEMAE/demae-list.html

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